ワクチンについてのお話⑤ 「 ワクチンで予防できる犬の病気 PART2 【犬ジステンパー感染症】【犬パルボウイルス感染症】【犬伝染性肝炎】【犬アデノウイルス2型感染症】」

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ワクチンについてのお話⑤ 「 ワクチンで予防できる犬の病気 PART2 【犬ジステンパー感染症】【犬パルボウイルス感染症】【犬伝染性肝炎】【犬アデノウイルス2型感染症】」

予防について ーワクチン

2017/05/28 ワクチンについてのお話⑤ 「 ワクチンで予防できる犬の病気 PART2 【犬ジステンパー感染症】【犬パルボウイルス感染症】【犬伝染性肝炎】【犬アデノウイルス2型感染症】」

今回は混合ワクチンで予防できる、その内コアワクチンに指定されているものについてのお話となります。

 

 

【犬ジステンパー感染症】

犬ジステンパーウイルス(CDV)の感染によって引き起こされます。

フェレットにも感染します。

感染動物の鼻水、唾液、排泄物などにウイルスが含まれており、それらの飛沫・接触感染によって伝染していきます。成犬でも感染する事がありますが、免疫力のまだ弱い子犬では重症化することが多く、死亡率も高い病気です。

このウイルスは主に神経系を標的にしやすく、運動障害や麻痺、けいれん発作等の症状があります。それ以外の臓器にも幅広く感染していき、風邪のようなくしゃみ・鼻水といった呼吸器症状、下痢主体の消化器症状などもあります。

特徴的な症状として挙げられるのがチック症状、ハードパッド(肉球や鼻の角質肥厚)などがありますが必ずしもみられるわけではありません。

 e382b8e382b9e38386e383b3e38391e383bc 肉球の角質肥厚

 

 

【犬パルボウイルス感染症】

以前にコアワクチンのお話の際に、例の一つとして挙げた病気です。

犬パルボウイルス(CPV)の感染が原因です。

主症状は消化器症状で、嘔吐と下痢による脱水が重度です。下痢もひどい場合は血液がそのまま出てきたような血便になる事もあります。また、消化器ではなく心臓(心筋)を標的とした場合には突然死を引き起こす事があります。いずれにせよ子犬にとってはとても致死率の高い伝染病です。

その症状も深刻ですが、特筆すべきは感染力です。ウイルスが含まれているほんの僅かな糞便や吐物でも相当な感染力を有しています。ブリーダーやペットショップ、多頭飼育環境下でこの病気が発生すると、徹底した消毒と隔離措置が必要になります。

6e5f6f6e血様水様便

 

 

 

【犬伝染性肝炎】【犬アデノウイルス2型感染症】

二つの病気を一度に取り扱う理由については後程に解説致します。

犬伝染性肝炎はその病名の示すように、肝炎を主体とする伝染病です。

突然の発熱や元気消失、嘔吐下痢の消化器症状を示します。血液検査において著しい肝臓数値の上昇や白血球数の減少などが症状の程度や病期によってみられます。最も重症度の高いものは発症から数時間で突然死してしまう例もあります。ブルーアイ(Blue Eye)と呼ばれる症状がみられることもあります。

p-23de7ブルーアイ症状

原因ウイルスは犬アデノウイルス1型(CAV-1)です。

【犬アデノウイルス2型感染症】の原因はその名の通り、犬アデノウイルス2型(CAV-2)です。こちらの病気は子犬の伝染性の風邪として有名なケンネルコフという病気の原因の一つになります。CAV-1のように、重篤な症状を引き起こすことはなく、他の病原体と一緒に鼻炎や気管炎などの呼吸器症状、ひどいと肺炎に至ることがあります。

コアワクチンに指定されているのは犬伝染性肝炎の病態ですが、比較して病原性の低いCAV-2をワクチン接種することで実はCAV-1に対する免疫力を獲得する事ができるのです。これを“交差免疫”といいます。

これはある特定のタイプの病原体に対する免疫が、他の似通ったタイプの別の病原体に対しても、ある程度の効果を有する、というものです。

CAV1CAV-2では近縁のウイルスですが、引き起こす症状にはその深刻度も含めて差があります。ですがこの二つのウイルスには上記の交差免疫が成立する為、病原性の低いCAV-2をワクチン接種することでCAV-1の犬伝染性肝炎を予防する事が可能となるのです。

ですので、二つまとめて取り扱わせてもらったということです。

 

犬伝染性肝炎と犬アデノウイルス2型に関しては交差免疫が成り立つ例、と思ってください。

 

 

しかし、交差免疫について注意があります。

それは「似ている病原体すべてにおいて同様に効果がでるわけではない」というものです。

一番の代表例がインフルエンザではないでしょうか。

冬に流行する人のインフルエンザ。お医者さんで予防接種をする際に、その年の流行の様子からA型にするかB型にするかを選択されるかと思います(もしくはお医者さんがどちらにするか決めています)。『予防接種したけどもインフルエンザになってしまった。今年は2択が外れたなぁ』というお話を身近で聞いた事もあるのではないでしょうか。

同じインフルエンザウイルスでABで型は異なりますが、どちらかのワクチンを接種すれば両方防げる!というわけではないのです。しかし接種が無駄となる事はなく、やはり接種しておいた方が選択が外れていたとしても症状の緩和・回復が早いという利点があるようです。

乳幼児のワクチン接種プログラムにあるロタウイルス症(下痢を引き起こす病気)のワクチンの中にはこの交差免疫を利用しているものがあります。

 

 

 

 

コアワクチンで予防できる伝染病について書いてきましたが、基本的にどの病気も元気消失・食欲不振・嘔吐・下痢といった一般的な症状を主体として、それ以外に呼吸器症状や神経症状、検査において肝臓の異常などといった個別の症状が見受けられる事があるというものです。この症状=この伝染病だ!!と即断できるようなものはかなり限定的です。単なる風邪かな?お腹冷やしちゃって下痢したかな?と思って様子を見ていると、具合がどんどん悪化してしまう事もあります。

 

 

治療方法はどれも対症・支持療法が主体となります。特効薬というものは無く、輸液や吐き気止め、抗ウイルス薬の投与などです。病気にかかってしまった子の体力を底上げしてあげることで、ウイルスに対抗する力を自身で勝ち取ってもらうという治療になります。

早期発見の場合は回復の見込みもありますが、重度な場合は厳しい例も多いです。

 

 

 

 

これら伝染病は成犬よりも圧倒的に子犬に見られることが多いです。それは体の免疫力がしっかりとついていない事、体力そのものが少ない事によります。

ワクチンプログラムがしっかりと済むまでは、理想的には子犬のお散歩や成犬との接触(同居犬でもなるべく)は控えておくべきでしょう。

病気になってしまう前にしっかりと予防しておくことが、やはり大切になります。

 

 

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